こんにちは。
喜満満猫です。
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【城崎の花火《18》】から続きます。
父の容態の悪化
8月に入り、3世代城崎温泉旅行の準備をしはじめるなか、父の体調が思わしくなくなってきました。
いよいよ人工透析を受けなくては、生命に関わるところまできてしまいました。
父は、悩んで悩んで、それでも人工透析を受けるのには抵抗があって、このまま弱っていっても、それでもいいと言うのです。
主治医の先生は、決して恐れなくていいんですよとおっしゃっているのに、まったく聞き入れないのです。
人工透析への説得
家族は、必死で説得しました。
人工透析は、人によってペースや時間が違うのですが、多くの人が人工透析を受けながら日常生活を送ってみえます。
旅行に行ったり、趣味を楽しんだり、楽しく過ごしてみえるから、と一生懸命説得しました。
もともと、食事も濃い味付けが大好きな父。
腎不全になってからは、薄味にしなくてはならなくなり、バナナやみかんなどカリウムの多い食品が食べられなくなりました。
食べることが制約だらけで、なんの楽しみもなくなってしまって、生きてても仕方がないと、うなだれるのです。
念のためのシャント手術
それでは、人工透析を受けないとしても、容態の急変に備えて、準備だけはしておきましょうということになりました。
シャントという、血液透析を行う際、充分な血液量が確保できるように、動脈と静脈を体内で直接つなぎ合わせた血管を作る手術を受けることになりました。
まさかの手術の失敗
重い心をふるいたたせて決心し、入院して手術をしました。
ですが、残念ながらその手術は失敗に終わってしまったのでした。
血管がぼろぼろで、うまくつながらなかったのです。
通常1時間ほどの手術のはずが、5時間かかってもできなかったそうです。
せっかく、心を決めて、準備だけでもという説得にうなずき、一歩を踏み出したのに。
さらに深い絶望に打ちひしがれてしまった父なのでした。
絶望のなか城崎へ
(城崎温泉観光協会のHPより)
3世代、それぞれが、それぞれの苦しみ、悩み、つらさを抱えて、城崎温泉へ行くことになります。
親世代…
父の人工透析へのとまどい。
このまま死を受け入れようとする覚悟。
絶望したシャント手術の失敗。
苦悩を抱える父を、励まし疲れた母。
子世代…
難病を受け入れてはいても、大きな手術を受ける覚悟がまだ持てないわたし。
このままろうそくの灯火が消えていくように、力が消えていくかもしれない不安。
だまってわたしに寄り添ってくれている主人の存在が、こころの支えでした。
孫世代…
長男、まさかの2度の膝の前十字靭帯損傷。
1年以上のリハビリの末、復帰して、喜びも束の間またもや同じ膝を損傷してしまいました。
このころは手術が終わり、半年が経ったころ。
まだ半年以上もリハビリが必要な時期でした。
ひたすら努力を続ける長男に、少しでも温泉治療で良くなりますようにと、願わずにはいられませんでした。
【城崎の花火《20》】に続きます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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