こんにちは。
喜満満猫です。
いつも訪れていただき、本当にありがとうございます。
【城崎の花火《78》】から続きます。
はじめて読む方は、
【城崎の花火①】わたしの首にはファスナーがついている
からどうぞご覧ください。
わたしの使命
こころに温かい炎がともったわたし。
ひとを癒やすことのできる作品を描ける、
そんな己書家になりたい。
つらいとき、悲しいとき、
うつろな目を向けたその場所に、
光を放つ己書があったなら、
どんなに救われるだろう。
そこに描かれた絵と、癒やし文字、
こころを込めた言葉を読んで、
暗闇に沈み続ける気持ちを、
浮かび上がらせることができたなら。
戻ってきた日常
そんな気持ちを抱きながらも、
毎日の日常の家事や用事は、
まるでルーティンのようにこなされていきます。
何もなかったかのように、
日常は普段の顔のまま。
作品を依頼されるような機会もなく、
一時のあの出来事は、
まるで夢だったかのように、
日常に覆われていくのでした。
主人の異変
ある寒い冬の日、主人が左腕をさすっていました。
『どうしたん?痛いの?』
と聞くと、
『うん…肩こりから来とるんかな。
腕が痛い。五十肩…?』
と言って、にかっと笑いました。
少し顔をしかめながら。
だけど、わたしの荷物は持とうとしてくれて。
『いいよ、大丈夫だからわたし持つよ。』
というと、
『はいはい。ええから。』
と、手を出してすっと鞄を持ってくれました。
心配そうな顔をするわたしに、
はいはいとなだめながら、
買い物もいつものように手伝ってくれるのでした。
だましだましの毎日
夜には痛みをとる貼り薬を貼ってみたり、
塗り薬を塗ってみたり、
少しおさまったり、また痛みが出たり。
自分でできる手当をしながら、
そんな毎日を過ごしていました。
決定的な痛み
主人が運転する車で、用事に出かけているときでした。
『ぐぅっ…ごめん、ちょっと停まる。』
そういうと、路肩に停まり左腕を押さえました。
ハンドルに顔をうずめ、痛みに堪える主人。
これはただことではない、と思いました。
今までの痛いな〜…というレベルではなく、
痛みに顔をしかめて耐えなくてはならない。
これは痛みレベル10のうち7〜8なのではないか?!と思いました。
喜満満猫の本気
『病院行こう。』
低い声でわたしはきっぱりと言いました。
いつもなら、大丈夫やでええわという主人が、
『…どこへ。』
とだけ言って黙りました。
わたしは、主人の症状をみて、
脊椎、首から来ている症状ではないかと思いました。
『もしかすると腕が痛いということは、
首から来ているかもしれない…。
わたしの主治医の先生のところに行こうよ。』
しぶる主人に説得
わたしの主治医の先生は、
ご自分が副院長をされている医療センターと、
月に1回土曜日と、毎週金曜日夜診療の時間に、
個人病院に出張して診察されています。
わたしが先生とご縁をいただいたのは、
その個人病院に息子がリハビリで通っていたからでした。
そちらなら、仕事を休まずに通えるし…と、
主人に話しました。
『そうやな…。』
ここまで来てやっと、病院に行くと決心してくれました。
優しいけれど、とても頑固なところのある主人。
やっと自分の身体にも向き合ってくれたのです。
【城崎の花火《80》】に続きます。
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