こんにちは。
喜満満猫です。
いつも訪れていただき、本当にありがとうございます。
【城崎の花火《76》】から続きます。
はじめて読む方は、
【城崎の花火①】わたしの首にはファスナーがついている
からどうぞご覧ください。
必死にうかがう経営理念
わたしは、社長さんから経営理念を、
ひとことも聞き漏らさないよう注意しながら、
必死で、こころと頭で記憶しました。
少し、社長さんの表現でわからないところは、
『ちょっと待って、ん?どういう意味?』
と確認したり、納得するまで聞いたりしました。
小さな頃からよく知っていますが、
少し口下手なところのある社長さん。
だからこそ、経営理念を形にして、
ひとにも自分にも伝わる形で
表現したいのだろうと察しました。
先代の笑顔
ひととおり話を詰めて、家に帰った喜満満猫。
ずーんと、こころの奥深いところに、
何かよくわからない感情が湧きあがってきました。
なぜかふと、先代の社長さんの笑顔が浮かびました。
天国で息子さんのこの話を聞いて、
きっと喜んでくださっているのだと思うと、
涙がつうっ…と流れてきました。
社長さんの笑顔
正直言って、社是とはこういうものだという、
固定概念のないわたし。
ありきたりの社是でなくていい、
喜満満猫の思うまま、お願いしますという社長さん。
『いつでもいいです。
どんな風にしてもらうのかもお任せします。』
そういうふうにおっしゃると、
にっこりと微笑みました。
なんだか先代の社長さんの笑顔と重なり、
胸がいっぱいになりました。
喜満満猫の決意
今あらためて思うと、
すごい信頼をいただけたのだな…と思います。
会社の大事な方向性を決める社是。
わたしがもし社長だったら、大事な会社のことは、
素人同然の知り合いに頼もうとは思いません。
そう考えると、うれしかったですね。
一生懸命取り組もうと思いました。
会社への愛情
私は、社長さんの気持ちとシンクロさせて、
無心になって『降りてくる』のを待ちました。
社長さんが、どんなに周りに感謝し、
会社を、社員の方々を愛しているのかを
感じながら。
『亡き父が自分に託してくれたこの会社を
大切に経営していきたい。』
そんな気持ちが、わたしの心の奥に、
湧き上がってくるのを感じました。
湧き上がったこの愛情を、感謝を、
あとは形にするだけ。
イメージがぱらぱらと『降りて』きました!
忘れないうちに…と思い、
すごい勢いで描きました。
なんとなくですが、先代の社長さんが
力を貸してくれたような気がします。
社是、完成!
できあがったのは、
色紙サイズの額を5枚、
B4サイズの額1枚の合計6枚。
大安吉日にお届けしました。
先代社長の奥様である、
今の社長さんのお母さまが、
色紙額につづられたその理念を見て、
涙を浮かべられました。
息子さんが、旦那さまの遺した会社を、
こんなにも愛してがんばろうとしてくれている。
親子だからこそうまく言葉に出せないでいた、
社長さんのこころからの想いを、
社是という形で知ったわけですね。
社是が起こした奇跡
ありがたいことに、現在その社是は、
神棚のとなりに用意してくださった場所に、
大きく飾っていただいてます。
先代の奥様は、こうおっしゃいました。
『社是を飾らせていただいてから、
ほんとうに忙しくて。
ありがたいことに仕事が回るんですよ。』
お母さまの経理のお仕事の合間に、
ふと顔をあげたらこの社是が目に入って、
ああ、ほんとうにありがたいな、
その通りだなと思えると。
忙しいことがうれしくて、
社是を見ながらがんばれるのよと、
おっしゃいました。
己書が起こした奇跡
こんなに喜んでもらえるなんて…。
自分のためではなく、ひとのために描き、
それがひととひとの心を結びつける。
己書が起こした奇跡を目の当たりにして、
いちばん驚いたのはわたし自身でした。
こうして、未熟ながらも喜満満猫の初仕事は、
無事に喜んでいただけることができました。
このことがわたしの人生の流れを変える、
大きな出来事となったのです。
【城崎の花火《78》】に続きます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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