こんにちは。
喜満満猫です。
いつも訪れていただき、本当にありがとうございます。
城崎の花火
喜満満猫、人生最大の決意をした夏のお話をしたいと思います。
実は、このお話をするかどうか、とても迷いました。支えてくれた主人、家族にとっても大事なことでした。
ですが、今まさに苦しみの中にいて、もがいている、暗闇の中から光を探している人たちの、いちるの希望になれたら。
少しでも癒される人たちがいてくれたら。
そう思い、決心しました。
何部作になるかわかりませんが、連載したいと思います。
わたしの首にはファスナーがついている
2018年9月。
わたしは脊椎を14〜5cmにわたり観音開きに割る手術をしました。
交通事故に遭い、運ばれた病院での検査で、自分が難病であるとわかったのです。
交通事故に遭っただけでも、非常事態であるのに、さらに追い打ちをかけられた、難病の宣告。
長きにわたるリハビリも、効果がなく症状は悪化するばかり。
いろいろな紆余曲折を経て、決心をし、手術を受けることになりました。
脊椎を割って、スペーサーを入れ、神経の通り道を確保するという、大変大掛かりな手術でした。
ですから、わたしの首から背中にかけてファスナーがついています。
今もよく冗談で、
『ここからくまモンが出てくるんやで』
と着ぐるみネタで周りを笑わせています。
ふつうの人なら、首の目立つ傷跡はかくしたいのかもしれません。
むごい傷跡に目を背けられ、
『髪の毛伸ばして、隠したほうがいいよ。』
と、言ってくれた方もみえました。
ですがわたしは、この傷は自分が難病と戦った名誉の証だと思っています。
ですから全然気にせずショートカットの髪型を満喫しています。
しかし、美容院に行くたびにどんどん短くなるのはなぜなんでしょうね(笑)
乙女心の憂鬱
手術のときに、感染症防止のために髪の毛を頭頂部のみ残し、全部剃りました。
わかめちゃんというよりは、波平さんの横の髪がないパターン。
それまで、美容院を1か月ごとに欠かすことがなく、月替わりで髪型を変えるのが大好きだったわたしにとって、手術以上にショッキングなものでした。
髪の毛を剃ることを渋っていたわたしに、主治医の先生は
『感染症で死ぬのと、髪の毛とどっちが大事!
髪の毛は伸びるよ。腹をくくろうよ。
はいっ、切っておいで!』
と笑って、病室を追い出されました。
腹をくくって美容院に行った
病院の近くの美容院に、とぼとぼと歩いて行き、受付のお姉さんに波平さんヘアーのイラストを渡しました。
『手術の準備で、こんなふうに刈り上げてください。』
と言いましたら、店長さんらしき人が、急いで出てきて、
『それ、僕担当なんで』と笑顔で言ってくれました。
おそらく、先生からお話があったのだと思います。
バリカンを手にした店長さん、にっこりと
『景気良く、いっちゃっていいですか?』
店長さんの、あえて明るく接している思いやりを感じました。
『景気良くやっちゃってください!
このあと伸びてきたらツーブロックとかカッコいい髪型にチャレンジするんで(笑)』
そうは言ったものの、冷たいバリカンの感触と、長い髪の毛がぼとりぼとりと落ちるのが目に入ると、さすがに乙女心が震え上がる。
真っ青に刈られた頭を直視できずに鏡をチラ見しながら、持参した帽子をかぶってお礼を言って病院に戻って行きました。
刈られた頭を確認に来た先生、『おお~景気よくいったねえ。』
ええっ?先生、それはないよ~そんなに切らなくてよかったの?
このときやっと、手術を受けなくてはならないんだという実感が湧いてきたのを覚えています。
【城崎の花火②】に続きます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。