喜満満猫の癒される暮らし

難病とともに、今できることに感謝してパワフルに生きる己書家【喜満満猫】のブログ

【城崎の花火《23》】育っていた『思いやり』~父の涙

こんにちは。

喜満満猫です。

いつも訪れていただき、本当にありがとうございます。

【城崎の花火《22》】から続きます。 

 

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父と母の思い出づくり

父と母は、この城崎温泉に来るのは2度目です。

一歩一歩、死に近づいていて、この旅行も来られるかどうかわからない状態でしたから、感激もひとしおだったと思います。

サービスエリアでも、出石でも、玄武洞ミュージアムでも、夫婦2人でいる写真を何枚も撮ってあげました。

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写真は、その時その時を切り取ってくれます。

そして、ずっと思い出として残ります。

母は、うれしそうに腕を組んだりしていました。

 

城崎に来られた奇跡

西村屋本館にチェックインして、お部屋に通されたあと、母は、ほうっと息をついて、

『ここまで来られたね…もう無理かと思った。』

とつぶやきました。

『そうだね。別に観光しても、しなくてもいいから、のんびりゆっくりしてね。』

とわたし。

ふと窓の外の中庭を見つめました。

ああ、やっと城崎に来たんだな…。

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ほんとうに、来ることができただけで感謝です。

父の容態も落ち着いてきていましたし、息子たちのクラブや、学校の日程もうまく調整できました。

すんなり来られた奇跡に、心からうれしく思う喜満満猫でした。

 

父と息子たち、温泉へ

主人は長いドライブの疲れから、少し仮眠を取り始めました。

少し休憩して、父は、『夕食までの時間に、風呂に入りたいなあ』と言いました。

自宅でしたら、安全上、父と母と2人で入るのですが、男湯、女湯と別れているので、一瞬、どうしよう…という空気が流れました。

足元がおぼつかないので、転んだりしたら大変です。

すると、息子たち2人が、

『おじいちゃん、ぼくらと入ろう!行こ行こ!』

と、わたしに目で合図をして連れていってくれました。

『ほほう、お前たち、一緒に入るか。』

と嬉しそう。

3人で、にぎやかに部屋を出発していきました。

 

西村屋本館の癒される温泉

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(西村屋HPより)

西村屋本館の旅館内の温泉は、こじんまりしてはいますが、とてもきれいです。

城崎温泉は外湯めぐりが有名ですので、みんな浴衣を着て出て行ってしまうからでしょう。

ですが、わたしは外湯にも行きますが、人がいなくて貸切みたいで、湯もきれいなので、旅館の温泉に入ることが多いです。

 

父の涙

ゆっくり戻ってきた息子たちと父。

ふと見ると、父は涙ぐんでいました。

2人が手を引いて、洗い場まで連れて行き、2人で背中を流し、体じゅうを洗ってくれたそうです。

『こんなええ経験はないわ。おれ、うれしかった。

シャンプーしてくれて、頭から、背中から足まで、全部洗ってくれた。

こけたらあかんでってな。手、引いてくれて。

優しく洗ってくれてな。

孫と入る風呂は最高やった。』

最後の方は、声がかすれていました。

母は、『よかったねぇ、よかったねぇ。』と、一緒に泣いていました。

同居しているので、寝食を共にしていても、お風呂まで一緒に入るということは、ほとんどありません。

とてもいい機会だったと思います。

そして、ひとに頼まれなくても、そんなふうに思いやれる子に育ってくれてたんだと、嬉しくなりました。 

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育っていた『思いやり』

弱ってこそ、人の温かみが感じられるようになります。

してもらって当たり前ではない。

してくれてありがとうございますと、自然に感謝が生まれます。

身近に病気を持った人がいることで、思いやりが育つのですね。

わたしが重いものを持てないことで、息子たちは自分から考えて、動けるようになってくれました。

自分では気づくことができず、ひとに言われてから、嫌々やらされる場合は、反発しがちです。

『自分から気づき、動くこと』を教えることは難しいです。

そう考えると、病気になるのもマイナスの面ばかりではありませんね(笑)

【城崎の花火《24》】に続きます。

 

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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