こんにちは。
喜満満猫です。
いつも訪れていただき、本当にありがとうございます。
【城崎の花火《25》】から続きます。
城崎温泉ロープウェイ
旅の楽しい時間は、あっという間に過ぎ去りますね。
2日目の昼間は、友だちや親戚などへのお土産さがしで過ぎていきました。
ふつうなら、2日目は近隣の観光スポットに出かけるのでしょうが、城崎温泉の徒歩圏内でまったりと遊びます。
ロープウェイで山頂駅まで行ってみます。
城崎温泉を一望できる、素晴らしい景色。
みはらしカフェや、ガーデンもあり、ゆっくりくつろぐことができます。
しかし、あまりに暑くてとんぼ帰り。
帰りには、途中駅の温泉寺で下車し、お参りしました。
城崎温泉の開祖、一千日お経を唱えたとされる、道智上人(どうちしょうにん)が祀られています。
城崎温泉の由来
2020年に開湯1300年を迎える城崎温泉。
7つの外湯のうちのひとつ、まんだら湯にまつわるこんな逸話があります。
元正天皇の養老元年(717年)、城崎の地を訪れた道智上人が目にしたのは、『難病』に苦しむ人々でした。
道智上人は、鎮守四所明神に
『何とかして悪い病気で苦しんでいる人々を救いたい。』
と祈願しました。
すると、道智上人の夢の中に、白髪の老人が現れて、
『上人よ、ここから西南にある、ビランの木の下を掘ると、汝の求める温泉が見つかるだろう』
と言い、姿を消しました。
道智上人は、そのお告げを信じて、今のまんだら湯の場所に庵をむすび、
一千日の間、八曼陀羅経(はちまんだらきょう)というお経を唱え続けたところ、
満願し、霊湯が湧き出したそうです。(まんだら湯の由来)
これが『城崎温泉』の発見とされています。
(城崎温泉観光協会HP参照)
難病のひとたちのための温泉だった
うーん、難病に苦しむひとのために湧き出た温泉。
なんと不思議なご縁でしょう。
今も昔も、苦しんでいるひとは多くいるんですね。
上人さま、ほんとうにありがとうございます!
城崎温泉『夢花火』
城崎温泉では、夏休みの一定期間だけ、花火が打ち上げられます。
『夢花火』では、連日200発ほどの花火が見られます。
↑↑↑残念ながら、2020年の今年は、新型コロナウィルスの感染予防のためか、開催日が少ないようです。
夢花火を見るために
わたしたちは、夕食後、早めに眺めのいい場所で待機しにいきました。
待っているあいだ、主人は、
『……長生きしてほしいな。』
とつぶやきました。
『お前が先は嫌やな。おれが先やったらええけど。おれを看取ってからにしてくれ。』
いつもみたいに、にかっと笑いました。
何も言えずにいると、
『長生きして、おれと楽しくおかしく暮らすんだろ?』
これは、いつもわたしが言っていた言葉でした。
年をとっても、2人で、楽しくおかしく毎日を暮らす、と。
そんな老夫婦になるのが夢だ、と。
ふだんから言葉の少ない主人の、精一杯の励ましでした。
『難病』に向き合った瞬間
時間が経つにつれ、どんどんひとが増えてきて、橋の上は、人と人が押し合うほどに。
押されてふらつくわたし。
足に力が入らないので、踏んばれません。
すると主人は、ぐっと力強く支えてくれました。
涙が出て、周りが見えなくなりました。
このひとがいてくれる…。
だからわたしは、きっとがんばれる…。
心の底から、『難病』に向かい合ったはじめての瞬間でした。
わたしの決心を後押しするように、花火がどーんどーんと打ち上がりました。
いつも、わたしの横には、主人がいてくれる。
主人の横顔を見ながら、ありがとう、ありがとう、と感謝の気持ちが、心の奥からあふれ出てきました。
【城崎の花火《27》】に続きます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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