こんにちは!
喜満満猫です。
今日も訪れてくださり、本当にありがとうございます。
今回は、喜満満猫が己書家になって、はじめて家族以外の人に喜んでいただけた話をさせていただきたいと思います。
1.初めての依頼
喜満満猫のお家は田舎にあり、車なしでは生活が立ち行きません。
買い物行くにも、お店はすぐ近くになく、コンビニでさえ一番近くても約2キロありますから、歩いては行けないですね(笑)
ご近所に、自動車販売、修理、車検などをおこなっている地域密着のモータースさんがあります。
こちらは、先代からの長いおつきあいでお世話になっています。
先代が急逝され、40歳になったばかりの息子さんが跡を継がれて、新社長になられました。
こちらのご一家は、喜満満猫の近所にお住まいですので、息子さんも小さいころから知ってて、家族ぐるみで仲良くしていただいています。
ある時、喜満満猫が車の点検でお邪魔したときのこと。
【社長さん】 「喜満満猫さん、あの文字、いいですねえ。この前、玄関で飾ってあったの、見せてもらいましたよ。あれ、何とも言えない、癒される字ですよね。」
【喜満満猫】 「ほんと~?ありがとう!!」
【社長さん】 「ぼく、実は、社是(しゃぜ)を作りたいと思ってて。」
【喜満満猫】 「社是?社訓じゃなくて?」
【社長さん】 「はい、社訓って、朝礼の時とかに、社員の方がこういう風に気をつけようとか、がんばろうとか、そういう感じだと思うんですけど。そうじゃなくて、『ぼくが、この会社を、こういうことを大切に経営していきたい』という理念を社是(しゃぜ)として額に飾りたいと思って。」
【喜満満猫】 「おお~!すごい!いいねえ。」
【社長さん】 「喜満満猫さんのあの字がいいです。書いてもらえませんか?」
2.いきなりの大作の依頼!
聞けば、事務所の広い壁に飾りたいということで。
恐れ多くも、神棚に近い場所に。
すでにその場所は確保されて、広々と空けていただいていました。
いやはや、あせりましたね。こんなにも大事なことを、私が書かせていただいていいのか、おこがましいのではないかと。
社長さんは、ニコニコと満面の笑みで、
「ぼくの経営理念は・・・」
語りだしてくれました。大切にしたいこと。感謝。地域の方々とのつながり、ご縁。
自分の周りへの想い。関係会社の方々、そしてその社員のご家族への想い。
う~ん、すごいぞ。壮大な愛。想い。
これをどう作品に仕上げたらいいのか、頭をかかえました。
社長さんの想いを、誤解なきように伝えなくちゃ。
3.無心になって『降りてくる』のを待った
「いつでもいいです、どんな風にしてもらうのかもお任せします。」
今思うと、すごい信頼をいただけたのだなと思います。
私は、社長さんの気持ちとシンクロさせて考えました。
社長さんが、どんなに周りに感謝し、会社を、社員の方々を愛しているのか。
そして、亡き父が自分に託してくれたこの会社を、大切に経営していきたい。
そんな気持ちが心の奥に湧き上がってくるのを感じました。
湧き上がったこの愛情を、感謝を、あとは形にするだけ。
『降りて』きました!
すごい勢いで描き続けました。
なんとなく、先代の社長さんが力を貸してくれたような気がします。
4.こんなに喜んでもらえるなんて
できあがったのは、色紙サイズの額を5枚、B4サイズの額1枚の合計6枚。
大安吉日にお届けしました。
先代の奥様である、社長さんのお母さまが
色紙額につづられたその理念を見て涙を浮かべられました。
息子さんが、旦那さまの遺した会社を、こんなにも愛してがんばろうとしてくれている。
言葉に出さないでいた社長さんの想いを、こんな形で知ったわけですね。
ありがたいことに、神棚のとなりに用意してくださったその場所に
大きく飾っていただいてます。
先代の奥様は、
「飾らせていただいてから、ほんとうに忙しくて。ありがたいことに仕事が回るんですよ。」
といってくださいました。経理のお仕事の合間に、顔をあげたら社是が目に入って、ああ、ほんとうにありがたいな、その通りだなと思えると。
こうして、未熟ながらも喜満満猫の初仕事は、無事に喜んでいただけることができました。
喜満満猫の字で、少しでも多くのみなさまが、幸せを感じてくださったら。
ほんとうに幸せです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!